オタク字書き長編書きすぎ問題
本記事はnoteに投降していた記事の改稿です。
note、陰キャのオタクにはあまりにも空気感が意識高い系オシャ過ぎて、結局投稿せずにすっかり閲覧オンリーになってますね……。
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私はおそらく長編を書くのがとんでも無く苦手なのですが、それ以上に、長編および長編書きの数多の創作者に対して並々ならぬコンプレックスを抱いているのでしょう。ちなみに私にとっての長い話の基準は1万字です。これでどの程度の苦手ぐあいかは何となく伝わると思うんですけど。
いやだって本当に、昨今のオタク字書き女子みんな長編書きすぎ問題。
軽々しくやめてくれ、3万字でまだ進捗3割〜とか。今日は1万字しか書けなかった~とか。
そういうTwitterでの文字数マウント苦手なひともいるんですよ?!
薄い本(および短い話)が出しにくくなるじゃないですか!!
実際、女性向け二次創作小説、昔はそこまででもなかったと思っているのですが、今ではオンオフ問わず軽々と数万字クラスの作品を出される方が増えたなーという印象を受けます。というか目立つ、SNSなどで。文庫●●ページ〜とか。目立つということは、やはりそれもひとつの売れるあるいはウケる要素なのでしょう。
大長編が増えた理由のひとつはおそらく、オンデマンド印刷が一般的になり、多ページ少部数の本を作りやすくなったこと。
それからもうひとつは、二次創作同人誌における小説≒Web上にアップされる二次創作小説と考えると、一画面で読める文字数が増えたからというのも理由なのではないかなと個人的には思っています。ガラケーの画面や、個人のWebサイトでの閲覧が基本だった時代は、2000字もあればレイアウト次第でそこそこ様になりましたから。
というところまではnoteの方に書いていたんですが、改めて考えてみて理由としてもうひとつ、昨今のフィクション・エンタメ全般で言われている「『間』が不安になるから」というのも挙げられるのかもしれないと思いました。
ひとつのエピソードをじっくり掘り下げて煮詰めるよりも、たくさんのエピソードが次々ぽんぽんぽんっとテンポ良く連なる方が良い(ウケる)とされる風潮は今や絶対的にあると思っているのですが、その結果として、全体の文字数も多くなり長編化する。みたいな。
いやけっして、前者(単独エピソード型)の物語に必ずしも『間』があるというわけではないんですけど、こう、何というか回転寿司的な。回転寿司って気がつくと普段より量食べてたりするじゃないですか。つまりそういうことなのかなーと。
平成から令和にかけて、小説における描写は簡略化され、シンプルな表現こそ好まれる傾向にあると言われています(これはやっぱり、表現ひとつひとつを見ているとそう感じます)。
けれどもそれらのトレンドとはなぜか逆行するように、二次創作小説は長編化し、また長編が好まれ受け入れられている風潮がある。
長編コンプレックス持ちの創作オタクとしては正直わりと腹立たしくもあるんですけど、現象だけ見るとなんだか面白いなとも感じています。でも短文にも市民権をくれ。